2025年度事業計画
1.事業概要

 令和7 年度の日本経済は、緩やかな回復基調が続くものの、依然として少子高齢化や国際情勢の不安定さといった課題に直面しています。特に米大統領が発動した関税に関する様々な施策は我が国のみならず世界各国に大きな影響をもたらす見込みです。日本経済は、グローバル経済との関係において、多くの側面で密接に繋がっています。貿易、投資、労働市場、規制、地政学的リスクなど、様々な国際的な要因が日本経済に影響を与え、日本企業はその中で戦略を練り、変動に対応する必要があります。この様な状況下で我々金属熱処理業界は、技術革新、環境規制、人材不足、そして国際競争といった多くの課題に直面していますが、これらの課題に対処し、競争力を維持するためには、最新の技術を取り入れ、環境に優しい製品を提供し、IoT を最大限活用しながらDX やGX に迅速に対応する必要があります。そして、今更ながら自動車産業だけに頼るのではなく、医療機器や航空機関連など新しい業種・業界への進出を試みると共にグローバル市場への展開を進めることも選択の一つとして考えていかなければならないのではないでしょうか。
 いずれにせよ、金属熱処理業界は今後も自動車産業のみならず多くの分野で重要な役割を果たし続けることになり、技術の進歩や持続可能性への取り組みが今後ますます重要になるでしょう。こういった背景の中、我々中部金属熱処理協同組合は東部・西部の両組合と緊密な連携を図り、中部地区素形材産業のキー組合としてモノづくり企業をしっかり支えると同時に、強靭な体力を育み筋肉質な企業経営を維持していく取り組みをしていかねばなりません。
 以上の状況を踏まえ、当組合は会員相互の協調と親睦を図り、会員一同の持続的な繁栄が出来るよう関係行政機関はもとより諸団体と良好な関係を構築していく必要があると考えます。皆様のご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。

2.重点事業方針
  
(1)  組合組織の拡大(正会員、賛助会員)と会員相互の協調を図る。
(2)  経営及び技術に関する講演会を開催する。
(3)  幅広い教育プログラムを開催する。
  「熱処理入門塾」「技能検定講習会」「熱処理研修会」
  「金属熱処理チャレンジャー講座」「実践 金属熱処理組織判定講座」
(4)  金属熱処理技能士試験の運営を公正かつ円滑に実施する。
(5)  技能士を称える会を開催し「熱処理マスター」・「金属熱処理技能士」の
 認知度向上に務める。
(6)  主要三委員会(マーケティング委員会・技術委員会・総務委員会)に
 加え新設したソリューション委員会並びに青年部会及び中熱部会を
 円滑に運営する。
(7)  浜松支部並びに新設した北陸支部の活性化を図る
(8)  国内外の企業視察会を開催する。
(9)  外国人技能実習制度移行対象職種認定に伴い制度の運営を円滑に
 開始する。
(10)  一般社団法人日本金属熱処理工業会並びに愛知県中小企業団体中央会を
 通じて中部地区熱処理業界の情報を広く他地域と受発信する。
(11)  一般社団法人熱処理技術協会とのコラボレーション企画の検討を
 開始する。
(12)  組合の財政基盤を充実させる。